2020.10.27
皮膚科専門医が指南!ボディの乾燥を防ぐポイント
Doctor's column


顔の保湿ケアはきちんとしているけれど、身体のお手入れはあまり……
という方も意外と多いのでは!?
実は、身体は顔よりも乾燥しやすく、弱バリア状態になりやすいそう。
今回は皮膚科専門医であるタナベ皮フ科クリニック院長・田辺和美先生に、ボディの乾燥を防ぐ導くポイントについて教えていただきました!
■身体は顔より乾燥しやすい!?
身体は顔に比べて皮脂腺が少なく、乾燥しやすいのです。
また、顔のスキンケアは丁寧にしていても、ボディケアはあまりしない、ということも影響しています。
肌の乾燥状態を放置してしまうと、うるおいを守るお肌のバリア機能が弱まり、「弱バリア肌」となってしまいます。

弱バリア肌は、外部刺激が皮膚の中に入り込みやすくなるため、乾燥やかゆみ、肌荒れなどの敏感症状を引き起こしてしまいます。
健やかな素肌を保つためにも正しいスキンケアを行うとともに、ボディを乾燥させない生活習慣を身につけることが重要です。
→弱バリア肌についてもっと詳しくみてみる
■やってしまいがちな、身体を乾燥させる生活習慣
ボディが乾燥するかしないかは「入浴方法」に大きな鍵が!
以下のチェック項目で自分にあてはまるものがあるかを確認してみてください。
□ お風呂は40℃以上くらいの熱めのお湯が好き
□ ボディソープは泡立てず、肌に原液を直接つけながら洗う
□ 身体を洗うときはナイロンタオルなどでゴシゴシ洗う
□ 入浴後のボディの保湿ケアはついつい後回しにしてしまいがち
□ 入浴後のボディの保湿ケアはしない
いくつ当てはまるものがありましたか?
1つでも当てはまるものがあれば、それがボディの乾燥の原因となってしまっているのかも!?
■皮膚科専門医が指南する「弱バリア肌」にならないためのポイント
1.身体の洗い方

●低刺激性の洗浄料を使用する
洗浄力の高いものは肌の保湿因子まで洗い流してしまうため、肌にやさしい低刺激のものを選びましょう。
●きちんと泡立ててから身体を洗う
ボディソープを泡立てずに原液のまま身体につけてしまうと、汚れが落ちにくいだけでなく肌への刺激となってしまいます。
泡立ててから洗いましょう。
泡立てるのが面倒な場合は、泡で出てくるタイプのボディソープがおすすめです。
●手のひらでやさしく洗う
ナイロンタオルなどでゴシゴシと洗うのは厳禁!
手のひらでやさしく洗いましょう。
もし、タオルなどで洗いたい場合は、綿や絹などの天然素材で肌当たりのやさしいものを使いましょう。
そのときも、力を入れてゴシゴシとこするのはNGです。
2.入浴方法

●湯船につかる際はぬるめの温度設定で
熱すぎるお湯につかると肌の皮脂膜が流れ落ち、肌の中の保湿因子が流れ出してしまいます。
お湯の温度は40℃以下を目安に、ぬるめの温度設定としましょう。
●保湿系の入浴剤を使う
保湿成分が配合された入浴剤は、肌が乾燥している方にとっては効果的です。
一方で、炭酸系の入浴剤は、血行が促進するとかゆみを感じやすくなってしまうこともあるため、乾燥からくるかゆみがある方は注意してください。
3.入浴後の習慣

●入浴後はできるだけ早く保湿ケアをする
入浴直後はとても肌が乾燥しやすい状態。
時間がたてばたつほど肌の水分は奪われてしまいます。
そのためにも、入浴後はできるだけ早く保湿ケアをしましょう。
特に、腕や脚は乾燥しやすいので念入りに!
●油性成分が配合された低刺激性の保湿剤を塗布する
せっかく与えたうるおいをしっかり肌にとどめるためにも、スクワランなどの油性成分が配合されたアイテムがおすすめ。
また、入浴後の肌はふやけてバリア機能が弱まっているので、低刺激性の保湿剤がおすすめですよ。
■お話を伺った先生
田辺 和美 先生
慶應義塾大学医学部卒業、真皮エラスチン研究において医学博士号取得。
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。
ニキビやアレルギーなどの皮膚疾患から女性特有の肌の悩みや美容に関する相談まで幅広く対応。
薬による治療だけでなく、食生活やライフスタイルの改善アドバイスにより、根本的な治療を目指す。
タナベ皮フ科クリニックHP
■ライター
関西学院大学理学部卒業後、化粧品メーカーにおいて研究・開発に従事。
その後、化粧品の商品企画・マーケティングへと転身。
2018年、これまで培った化粧品や美容の知識を発信するべく、ライターとして独立。
All About Beauty 公式ガイド。
