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2021.06.15

教えてドクター! 産後の抜け毛はなぜ起こる?

Doctor's column

髪を確認する女性 髪を確認する女性

女性の身体は妊娠、出産を通して大きな変化が起こります。その1つが「産後の抜け毛」。
産後の抜け毛に悩むという女性は多く、SNSなどにも多くの情報が掲載されています。ただ、情報が多すぎて何を信じていいの!? という女性も多いとか。
今回は産後の抜け毛についてタナベ皮フ科クリニックの院長である田辺 和美先生に教えていただきました!

田辺和美

―産後、抜け毛に悩む女性が多いと聞きますが、産後はなぜ髪の毛が抜けるのですか?

妊娠から出産における女性ホルモン量の急激な変化が原因です。

髪の毛は毛周期という
● 毛髪が盛んに伸びる「成長期」
● 毛髪の伸びる速度が低下する「退行期」
● 毛髪が伸びなくなり、やがて脱毛する「休止期」
というサイクルを繰り返しながら成長しています。

毛周期イメージ

妊娠するとエストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの分泌量が増加します。

エストロゲンには毛髪の成長期を長期化させる働きがあります。そのため、通常のホルモンバランスであれば、退行期~休止期を経て抜けていくはずの毛髪も妊娠中は成長期をキープしたまま抜けずに成長を続けるので、妊娠中は髪の毛の量が増えるのです。髪の毛の量が増えるだけでなく、ハリやツヤも増して美しくなります。

一方、出産すると女性ホルモンは一気に減少します。エストロゲンのおかげで成長を続けていた毛髪が一斉に退行期・休止期に移行し、抜け落ちていきます。これが産後の抜け毛の原因です。

―妊娠中は本来抜けるはずの髪が抜け落ちずに成長を続け、産後それらが抜けるため「急に抜け毛が増えた!」と思うということですか?

そうです。産後の抜け毛は、産後脱毛症や分娩後脱毛症などと呼ばれることがあります。

―出産後は体力低下や慣れない育児などで心身ともに大変な時期ですが、それらは抜け毛と関係するのでしょうか?


子育てイメージ


関係あると思います。妊娠~出産という大変な経験をし、休む間もなく昼夜問わずの授乳、睡眠不足などでどうしても体力は低下してしまいます。それに加えて心理的な育児のストレスなど、脱毛そのものに関係してきます。

―産後の抜け毛が始まるのはいつごろからですか?

一般的には産後すぐから抜け始め、2~6カ月でピークを迎えます。
6カ月を過ぎた頃から 再び成長期に入るため、6カ月から1年くらいで元に戻るケースが多いといわれています。ただ、女性ホルモンの分泌量や産後の育児環境などに個人差があるので、はっきりといつ頃から抜け毛が始まり、いつ頃に収まるとは断言することはできません。
もともと生理不順がある方や妊娠した年齢、初産か経産婦なのかという違いもあるかと思います。

―抜け毛の症状の出方には個人差があるのですね。

そうです。個人差だけでなく一人の女性であっても出産のたびに違うことがあります。
ある女性は1人目、2人目の出産後には産後脱毛症がほとんど起こらなかったのに、30代後半で3人目のお子さんを出産後は抜け毛がひどく、元に戻るまで時間がかかったという方もいます。

―産後の抜け毛は元に戻りますか?

戻ります。個人差があるので「いつ頃戻る」とは断言できないのですが、いつかは元通りになるものなので、気にし過ぎないほうが良いかと思います。

―産後の抜け毛を予防することはできるのでしょうか?

女性ホルモン分泌量の急激な変化が原因で起こるものなので、予防するのは難しいと思います。ただ、産後の食生活や睡眠時間、ストレスをため込まないかなど、症状を悪化させないように気をつけることは大切です。
ただ、育児は思い通りにならないことが多く一人で何とかしようと抱え込んでしまっては大変です。ご主人やご両親、ご友人など協力してもらえる体制を整えるなど、無理せずに過ごせる環境づくりが大切だと思います。

―産後、美容院でカラーリングやパーマを行ってもよいのでしょうか?

妊娠・出産は病気ではないので、カラーリングやパーマの制限はありません。ただ、妊娠をきっかけに出産後一時的に皮膚がかぶれやすくなる方もいらっしゃいます。そんなときは、少し時間をおいて落ち着いてからカラーリングやパーマをすることをお勧めします。

―産後の抜け毛で「こういう症状があれば皮膚科を受診したほうが良い」などはありますか?

産後の抜け毛は“疾患(病気)”ではないため、皮膚科を受診する必要はありません。
ただ、どうしても脱毛がひどく不安になるようであれば、医師の判断を仰ぎに受診されてもよいかと思います。全体的に抜けていくのではなく、一部が円形に脱毛するなどの症状は円形脱毛症が疑われるので受診することをおすすめします。

■お話を伺った先生

田辺和美

タナベ皮フ科クリニック院長
田辺 和美 先生


慶應義塾大学医学部卒業、真皮エラスチン研究において医学博士号取得。
日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。
ニキビやアレルギーなどの皮膚疾患から女性特有の肌の悩みや美容に関する相談まで幅広く対応。
薬による治療だけでなく、食生活やライフスタイルの改善アドバイスにより、根本的な治療を目指す。
タナベ皮フ科クリニックHP

■インタビュアー/ライター

小林未佳

小林未佳

関西学院大学理学部卒業後、化粧品メーカーにおいて研究・開発に従事。
その後、化粧品の商品企画・マーケティングへと転身。
2018年、これまで培った化粧品や美容の知識を発信するべく、ライターとして独立。
All About Beauty 公式ガイド。
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