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2021.01.15

美人の教科書 21話 目を彩る色「アイシャドウ?アイカラー?」

目もと

美人の教科書は、絶対知っていると得をする美容情報をお伝えするコーナー。 ちょっと視点を変えたアイデアで、あなたのキレイを応援します!


アイシャドウ?アイカラー?時代が変えた呼び名。

アイシャドウが広く浸透し始めたのは、戦後しばらくしてからです。ようやくおしゃれを楽しむ余裕ができ、百貨店で洋服を購入したり、新しい髪型を取り入れてみたり。そんな時代に化粧品メーカーからもアイシャドウが発売され、誰でも使用できるようになりました。


1972年にはコーセー初のメイクアップ専門ブランド「ノア」が発売されました。当時のアイメイクの目的は「日本人の平面的な目に立体感を与え、彫りの深いぱっちりとした目を表現する」こと。当然アイシャドウの色も、まぶたに陰影を与える色ということになります。主流はブルー、グリーン、グレーなどの寒色系を含む色味。寒色系は後退や収縮という効果があるので、彫りを深くまぶたをくぼませて見せてくれるのです。そのため、目もとに影を与えるという意味あいで「アイシャドウ」と呼ばれていました。


1980年が近づくと、コーセーからアソートカラーという名のアイカラーが発売されます。好きな色を自由に組み合わせてパレットに詰めることができる、色どり豊かなアイカラーです。この中には、ピンクなど暖色系も含まれていました。目もとを立体的に見せるだけではなく、様々な色をプラスして印象に変化をつける目的へと変化したのです。ここにきてようやく、外人顔への憧れメイクから脱却することができたのですね。暖色系は進出や膨張の効果があるので、影を与える「アイシャドウ」から、色どりを与える「アイカラー」へと名称も移行したのです。


1984年に発売になった「BE」というメイクアップシリーズは、さらに遊び心が加えられました。三角形のアイカラーやリップカラー、その倍のサイズのチークカラー、さらにはその倍のサイズの正方形のパウダーファンデーションから成り、手のひらほどの大きな六角形の黒いパレットにすべてをセットすることができました。ちょうど私がメイクアップを学び始めた頃でしたから、いろいろな色や形が珍しく、発色を試したりして店頭から離れられずにいたものです。

その当時売れ筋だった2色セットの配色は、他では見られないような鮮やかなピンクとオリーブグリーンでした。補色に近いインパクトのある配色、現在でも通用するようなびたっと肌に張りつくような発色、メタっと輝く濡れツヤ感…それはもうワクワクしたものです。

1985年には男女雇用機会均等法が制定されたこともあり、女性たちは男性に媚びない自立心を煽られたのでしょう。目もとはクールにあくまでも強く、眉は太く凛々しく描いていました。
1990年代に入るとゆとりや落ち着きを取り戻し、メイクはナチュラル方向へシフト。その後ピンクメイクの大流行が長く続くこととなりました。 そして時代は変わり、再びアイシャドウという呼び方が主流になってきました。その一因が、マスクの定着。顔の中で唯一見える目もとを、いかに自分らしく見せるか。それがテーマになってきた結果、自然な立体感を生かす方向へと回帰してきたのかもしれません。 とはいっても、ここでとどまるとは思えません。今こそが、新しいアイメイクアップの時代への転換期となるのではないでしょうか。顔に、メイクに、ドキドキわくわくする高揚感は、こんな時代こそ人の心を明るく照らさずにはいれないはずだから。

マスクをしている時の方が圧倒的に、見る人の視線が目もとに注力されるという研究結果も発表されました。自分をどのように表現したいのか、化粧品の色がお手伝いできます。化粧のプロのビューティカウンセラーに、相談してみる良い機会ではないでしょうか。
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