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2020.11.20

コロナ禍におけるハンドケアの大切さ。 手洗いとアルコール消毒の手あれリスクとは?

スキンケア

コーセーでは、コロナ禍で生まれた新たな生活様式の中でも、マスクの日常的な着用や手指の消毒に着目し、さまざまな研究を重ねてまいりました。今回は冬場の本格的な手あれシーズンを美しい手肌で乗り切っていただけるよう、独自のデータをもとに研究員(吉田)と商品開発部スタッフ(土屋)が解説いたします!

コーセー研究所_吉田美鶴さん

コーセー研究所
皮膚・薬剤研究室
皮膚・薬剤グループ
吉田美鶴


2012年入社。現在は皮膚計測技術を活かし、女性の肌質調査や製品の肌効果検証などを担当。

コーセー商品開発部 スキンケア・ヘアケア商品開発課
土屋奈生


2013年入社。美容スタッフだった経験を活かし、現在はスキンケア商品の開発を担当。

コーセー商品開発部_土屋さん

手洗いとアルコール消毒が増えた現状


吉田:「withコロナ」といわれている中、コロナウィルスと上手に付き合いながら生活していくという世の中になってきましたが、マスクを日常的に着用する以外の変化といえば手洗いとアルコール消毒の回数があげられますね。

土屋:そうですね。手洗いもこまめにするようになりましたし、アルコール消毒液も持ち歩くようになりました。会社のエレベーター横やドアの前、デスクにも消毒液が置いてあるので、気づいたときに行うようにしています。ショッピングモールや飲食店などに行ってもお店の前に消毒液が置いてあるので、必然的に消毒回数が増えますよね。
そこで皆さんが出勤時どのくらいの回数、手洗いやアルコール消毒をしているのか社内でアンケートを取ってみました。

1日に何回、手洗い・アルコール消毒していますか

土屋:グラフにあるように手洗いもアルコール消毒も1日に5~10回している方が最も多いという結果になりました。


アルコール消毒は手肌を乾燥させる?!

吉田:そうですよね、私も実感としてそのくらいしている気がします。ところで手肌を清潔に保つことは大切ですが、手洗い・消毒後、なにか気になることはありませんか?

土屋:はい。消毒した後、手肌の乾燥がとても気になります。実際のところ消毒をすると手肌の水分量は変化するのでしょうか?

吉田:はい。私たちが普段使っている手指の消毒液にはアルコール(エタノール)を含むものが多いのですが、80%のエタノール溶液*で試験したところ手肌の水分量が減ってしまうことが分かりました。

  水分量の変化  
*エタノールを有効成分とした指定医薬部外品には76.9~81.4%(v/v)配合されています


土屋:なるほど、何となく実感はしていましたが、実際に水分が減ってしまうのですね。乾燥するはずです。


コロナ禍における手肌の悩み

土屋:実際アンケートでも、手洗いやアルコール消毒が増えて感じている変化として、「手の乾燥」「手あれ」「指先のささくれ」が上位にあがっています。

アルコール消毒が多くなり、手・指・爪に気になる変化はありましたか
*コーセー調べ


土屋:感染対策をしながら迎える今年の冬は、もっと乾燥や手あれがひどくなりそうで心配です。

吉田:そうですよね。今年は例年よりも手肌にとって過酷な環境といえます。


1日の手肌水分量の変化

吉田:アルコール消毒によって水分量が減少することはお分かりいただけたと思います。ところで土屋さん、私たちの手肌の水分量が1日の中でどのように変化するのか気になりませんか?

土屋:はい、気になります。私も会社にいるとき、よくアルコール消毒をするので。

吉田:「働く女性の手肌水分量の1日の変化」を実際に測ってみたグラフをお見せします。手洗い、アルコール消毒を行い、何もハンドケアしなかったときの手肌の水分量の変化がこちらです。

1日の手肌の水分量変化(ハンドクリームなし)
※グラフは測定に基づいたイメージです

吉田:上のグラフのように、朝の出勤時から水分量は徐々に低下し、手洗いとアルコール消毒を繰り返していると、手肌の水分量は低い状態で推移します。これが続いてしまうと手肌が乾燥したり、手あれを起こしてしまったり、ささくれの原因になると考えられます。

土屋:ケアをしないと、乾燥状態がずっと続くんですね。

吉田:さらに、手あれの状態が続くとウィルスや、アレルゲンの影響を受けやすくなるとも言われているのです。

土屋:えっ!それは、怖いですね。いくら気をつけて手洗いやアルコール消毒をしても、手あれが原因でウィルスやアレルゲンの影響を受けては、元も子もないですね。

吉田:そうなんです。だから、こまめにハンドクリームでケアすることが大切なのです。では次に1日に2回ハンドクリームでケアした手肌の水分量変化のグラフをご覧ください。

1日の手肌の水分量変化(ハンドクリームあり)
※グラフは測定に基づいたイメージです


土屋:すごい。ハンドクリームでケアするだけでこんなに手肌の水分量が上がるんですね。このグラフを見ると、ハンドケアの大切さを改めて感じますね。

吉田:はい、手洗いやアルコール消毒に加えて、ハンドケアもぜひ行っていただきたいです。手には年齢が出やすいともいわれていますし、ケア次第でこれからの手肌印象も変わってくるかもしれません。


手肌の水分が逃げやすい部分とは?

土屋:もう一つ、気になっていたことがあるのですが、先ほどのアンケートの中で「指先のささくれ」が「気になる変化」の上位に入っていました。私はどちらかというと手の甲が一番カサカサするのですが、実際のところはどうなんでしょう?

吉田:手の甲が一番面積も広いし、乾燥しやすいと感じますよね。でも実際は違います。実は指先の方が手の甲に比べて、水分が逃げやすいのです。次のグラフをご覧ください。

乾燥しやすい部分 手指の水分蒸散量
*測定部位(1)指先 (2)手の甲中央


土屋:こんなに違いがあるんですね。「気になる変化」のアンケートに「指先のささくれ」が上位に入っているのも納得です!

吉田:確かに、お悩みの方も多いパーツですよね。だから、指先までケアすることが大切です。ハンドケアをしっかりして、withコロナでの初めての冬を感染対策もしながら美しい手肌でのりきりましょう!

手洗い・アルコール消毒をするたびに、ハンドケアをすることが大切です。
手全体にむらなく塗布し、手の甲、手のひら、指、爪まわりにもていねいになじませましょう。

ハンドケア1

(1)適量を手に取り、マッサージする様になじませます。


ハンドケア2

(2)特に乾燥しやすい指先はていねいなケアを。爪まわりを、親指の腹でやさしくすりこむように塗ると保湿の効果が高まります。

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