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2016.07.19

つややかな黒髪が美人の条件 お風呂がなくても頑張った平安時代の美髪ケア

ヘア・メイク

#ヘアケア #米


平安時代の美人の条件は「黒くてつややかなロングヘア」

日本女性が誇れるものといえば、絹のように美しい黒髪。振り向きざまに、ふわっと長い黒髪が風にそよぐ......。そんなサラサラのロングヘアは、女性にとって永遠の憧れですよね。

さて、「黒くて美しい長い髪の毛」というと、平安時代の女性がその代表格です。平安時代の女性は大垂髪(おすべらかし=髪を長く垂らしたロングヘア)が主流で、百人一首に描かれている女性のように、黒くてつややかなロングヘアが美人の条件だといわれていました。

しかし、あれだけ長い髪の毛をお手入れするのは大変ですよね。当時、入浴設備も整っていない環境で、女性たちはどのように美髪をキープしていたのでしょうか?

髪を洗うのは年に1回だった!?

平安時代の女性は髪が非常に長いので、歩くときにも床を引きずるはず。ほこりまみれになるので、毎日シャンプーしたいところですが、シャンプーは年に一度程度だったといわれています(諸説あり)。

そもそも入浴する習慣がないので、体は薄汚れていてニオイを発していたと思われます。『枕草子』には「ある貴族の襟のまわりの垢のうえの白粉(おしろい)が、まだらになって唐衣(からぎぬ)についているのが醜い」と書かれているほど......!

しかしそんな環境でも、美人の条件は「黒くてつややかなロングヘア」。当時の女性たちはさぞ苦労したことでしょう。

「ゆする=米のとぎ汁」で美髪をキープ

そんな女性たちが、美しい黒髪をキープするために使ったのが、「ゆする」と呼ばれる米のとぎ汁でした。毎日、髪の毛を梳かすときに使ったり、髪を洗うときに用いたりしていたそうで、『延喜式』(927年)には、宮廷に「ゆする」のための白米が用意されていたと記されています。

超ロングヘアですから、乾かすのも一日がかり。そして眠るときには、髪にくせがつかないように髪を箱に入れたり、枕元に巻いておいたりしていたんだとか。思うようにヘアケアができないなかでも、当時の女性たちが一生懸命髪の毛に気を配っていたことがわかります。

米のとぎ汁の美髪効果とは?

さて、平安時代の女性達を救った米のとぎ汁には、いったいどんな効果があるのでしょうか?

米のとぎ汁には多くのビタミンやミネラル、脂質、でんぷん質、セラミドなどの天然オイルが含まれています。新陳代謝を活発にするとともに、古い角質を吸着する働きがあるので、頭皮の汚れがすっきり。さらに、セラミドの効果で、つややかに潤う髪に整います。

こんなに優秀な米のとぎ汁を活用しないのはもったいないですよね。活用法はとっても簡単。シャンプーをした後に、米のとぎ汁をつけて数分待ってから洗い流すだけでOK。しっとりつやめく髪になります。

平安時代の女性たちも、こうやってお手入れしていたかと思うと、不思議と親近感がわいてきます。いつの時代も、女性が美しくありたい気持ちは一緒。2016年を生きる私たちも、日本女性ならではの美しい黒髪を大切にしていきたいですね。
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