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2018.02.06

30代でも要注意!シワや目つきが悪くなる「眼瞼下垂」

スキンケア

若い頃は、目もともぱっちりと目ヂカラがあり、生き生きとした印象だったのに、なんだか近頃はぼんやりして、表情も暗い。それって、眼瞼下垂(がんけんかすい)かも。年だから......と諦めず、まずはどんな病気か、知ることから始めましょう。


目つきが悪くなるだけじゃない!眼瞼下垂でシワが増える!?

目の開きが悪くなり、額にシワができることも。


「眼瞼下垂になると、老けて見えたり、目つきが悪く見えたり、眠たそうに見えたり、しょんぼりとした印象を与えたりと、美容的なデメリットがたくさんあります」と眼瞼下垂に詳しい真崎医院の真崎信行先生は言います。あまり聞き慣れない「眼瞼下垂」とは、どんな病気なのでしょうか。詳しくお話を伺います。

「目を見開いたとき、黒目(瞳の輪郭部分ではなく、中央の黒い部分)にまぶたがかかっていないのが正常な状態です。しかし、何らかの原因でまぶたをしっかり持ち上げられなくなると、普通に目を開いたときに、まぶたが黒目にかぶさった状態になる場合があります。まぶたを持ち上げる筋肉のトラブルによって、そういう状態が起こってしまっているのが、眼瞼下垂です。眼瞼下垂を治すだけで、見違えるほど若返って見える症例をこれまでたくさん見てきました。その経験から、個人差こそあれ、目もと(まぶた)は若々しさの一番のポイントなのだなと実感しています」と真崎先生。

そしてなんと、眼瞼下垂になると、まぶたの開きが悪くなるだけではなく、額や眉間にシワが寄る症状が現われることもあるそう......!

「筋肉が緩んで、うまくまぶたを引き上げることができないので、十分に開けていない目を見開こうとして、無意識に眉毛を上げるようになります。そのため、眉毛とまつ毛の間の距離が広がって、顔立ちが間延びしたような印象になります。そして、目を見開こうとして常に眉毛を上げることによって、おでこに力が入って、シワが寄ってしまうのです」(真崎先生)。

クレンジングの「ゴシゴシこすり」はNG、眼瞼下垂の原因とは?

眼瞼下垂は、目のこすりすぎなどによって、まぶたの筋肉を持ち上げる眼瞼挙筋(がんけんきょきん)と、まぶたの縁にあり眼瞼挙筋とつながっている瞼板(けんばん)の結合がゆるんだり、はずれたりしてしまうと起こることがあります。また、加齢などによって眼瞼挙筋がゆるんでしまうことも原因だとか。

「まぶたのたるみ(眼瞼皮膚弛緩症)は年配の方に多く見られますが、眼瞼下垂と併発するケースもあります。最近では30代、40代の方にも増えてきています」(真崎先生)。

さまざまな眼瞼下垂の原因のうち、最近若い人にも多いものとして挙げられるのが、コンタクトレンズの装着による負担だそう。

「特にハードコンタクトは、一般的にソフトコンタクトに比べてレンズの厚みがあるため、装着した状態でまばたきを繰り返していると、まぶたを内側から圧迫してこする刺激となるんです。また、コンタクトレンズを外す際、まぶたを指で引き上げるときに力が加わることも、眼瞼下垂のきっかけになりえます」(真崎先生)。

他にも、クレンジングをする際にまぶたをゴシゴシこすったり、花粉症やアトピー性皮膚炎などのかゆみで目をこするなど、デリケートなまぶたに手荒いことをしていると発症しやすくなるそう。顔立ちの印象の決め手となる重要なポイント・まぶたを、普段から丁寧に扱うように心がけるのが大切だそうです。

ちなみに、アイメイクの際に頻繁に触れることの多い目の周りですが、アイライナーを引く時にまぶたを引っ張り上げたり、ビューラーやホットビューラーなどを普通に使うレベルでは、眼瞼下垂を引き起こすまでには至らないそうです。
 

<眼瞼下垂のリスクを高めるNG習慣>


× コンタクトレンズの装着
⇒装着する時の力が強かったり、使用している時間が長ければ長いほどリスクが高くなります。厚みのあるハードコンタクトのほうが、よりリスクがあります。帰宅したらすぐに外したり、休日はメガネにしたりして、コンタクトを使用する時間をなるべく減らすように心がけましょう。

× コンタクトレンズを外す時に、まぶたを指で強く引き上げる
⇒通常生活において、優しく行えば問題はありません。要は力の強さの問題です。

× クレンジングをする際にまぶたをゴシゴシこする
⇒必要以上にこすらず、優しく行えば問題ありません。

× かゆみで目をこする
⇒かゆいとどうしてもこすって刺激を与えてしまうので、点眼薬や経口薬など、アレルギーの治療も心がけるとよいでしょう。

あなたは大丈夫?眼瞼下垂のセルフチェックリスト

下記のような症状やトラブルに心当たりはありませんか? 6個以上当てはまると、眼瞼下垂である可能性があります。

<眼瞼下垂のセルフチェックリスト>


6個以上当てはまったら要注意。太字は特に注意が必要です。
*の項目は他のことが原因でなることもあります。


・まぶたが重く感じる
・目が疲れやすい∗
・目もとが疲れて見える∗
・目の開きが悪くなり、黒目が隠れてしまう
・左右で目の大きさが違う
・まぶたの二重の幅が広がってきた
・二重の線が薄くなり増えてきた
・上まぶたのくぼみが深くなった
・眉毛とまつ毛の間隔が広がってきた
・額にシワができる

・頭痛や肩こりが続く∗

眼瞼下垂がもたらす身体の不調......肩こりや頭痛、慢性的な痛みにも!?

眼瞼下垂によるデメリットは、上記のような審美的なものだけではなく、身体にさまざまな症状をもたらすこともあるそう。特に、肩こりや頭痛など、慢性的な痛みの原因にもなると言います。

「頭痛や肩こりが、まさか眼瞼下垂からきていると思っている方はあまりいません。しかし、眼瞼下垂になると視野を広げようとしてまぶたを無理に開いたり、眉毛を上げるために前頭筋(額の筋肉)を過度に緊張させているため、実は頭痛が起こりやすい傾向にあります。肩こりは、まぶたが重いので代わりにあごを上げて物を見ているため、肩の僧帽筋(首の後ろから背中の上部にかけての筋肉)を常に緊張させていることが原因です。たかがまぶたの小さな筋肉とはいえ、交感神経が強く働いて全身の筋肉に緊張が連動するので、リラックスとは逆の状態になってしまいます」(真崎先生)。

目もと、特にまぶた周辺の摩擦を引き起こさないようなお手入れを心がけるのはもちろんのこと、まぶたのたるみや身体の症状など、変化を感じたら眼瞼下垂を思い浮かべてみることが大切かもしれません。

眼瞼下垂は、手術をすれば治りますが、やっぱりちょっと、こわいですよね。見た目に大きな影響を与えるだけではなく、身体の不調にもつながる眼瞼下垂。だからこそ、発症しないように日々のちょっとした行動に気をつけて、若々しい目もとを保ちましょう。


<取材協力>真崎信行(まさき・のぶゆき)先生
1983年金沢医科大学卒業後、順天堂大学附属病院、大手美容外科に勤務。1989年共立美容外科・歯科を開設、総院長を経て2007年に真崎医院を開設。著書『美容外科の名医が教える「切らないで治す眼瞼下垂」の本』(幻冬舎)ほか多数。

http://www.dr-masaki.com/



Text:Yuka Hanyuda
Illustration:Azusa Otsuka
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