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2019.11.22

朝の洗顔どうしてる?水・お湯だけでもいい? 朝の洗顔のポイント

スキンケア

#スキンケア #乾燥肌 #混合肌 #洗顔 #肌トラブル

「朝は洗顔料を使用しての洗顔は必要ない」「朝は水・お湯だけの洗顔で充分」「朝は洗顔料を使用しない方がキレイになる」など、朝洗顔の不必要性が問われ出して、久しい感じです。


おさらい。洗顔の目的

洗顔料の基本的な目的は、誰でも知っている「汚れを落とすこと」です。では、なぜわざわざ洗顔料を使わなければいけないのでしょうか?
それは、洗顔料は水だけでは落ちない、いろいろな汚れを落としてくれるからです。風邪が流行りだすと「水洗いではなく、石鹸で手を洗いましょう!」と奨励されますよね。石鹸での手洗いは水だけでは落ちない汚れや菌などを落とすことが目的です。
洗顔料も一緒で、水やぬるま湯だけでは落としきれない、肌に悪影響を及ぼす様々な汚れを落としています。

洗顔料が落としている汚れには以下のようなものがあります。
・古い角層細胞(角質と同じ)
・過剰皮脂(皮膚表面に残った皮脂やキメのすみずみに入り込んだ皮脂)
・異物(ホコリ、大気中の微粒子など)

こうした汚れが肌に残ったままでいると、さまざまな肌トラブルを起こす原因となります。皮膚に悪影響を与えるこれらの汚れを取ることは、肌トラブルの解決と同時に、それらの肌トラブルを予防することにもなります。このため洗顔料を使用した洗顔は肌にとって必要不可欠なお手入れです。

朝に洗顔料を使用することの是非

朝の洗顔料を使用した洗顔についての是非ですが、回答は「肌状態を見て決める」になります。

洗顔の目的をあらためておさらいしましたが、これは周知のことですよね。では、なぜ「朝は洗顔料を使用しないほうがよい」という考えが出てきたのでしょうか。それは「朝はそんなに汚れていないから」「朝洗顔料を使うと乾燥するから」ということだと思います。

朝も夜も、落とさなければいけない汚れの種類は同じで、汚れは必ず顔についています。
ただし、その量が圧倒的に違います。日中は汗も皮脂も活発に分泌されますし、環境的に皮膚も汚れやすい状態にあると言えます。
対して就寝中は日中ほど汗や皮脂も分泌されにくいですし、部屋の中ですから皮膚表面に付着する汚れも少ない状態です。(ものすごく部屋が汚れている場合は、埃や大気中の微粒子も舞い、就寝中でも過度に顔が汚れますので、この限りではありません)

朝は洗顔料を使用せずにぬるま湯や水で洗い流した洗顔を継続していても、明らかに肌トラブルが起こらないようであれば、「朝は洗顔料を使用しないで、ぬるま湯や水だけで洗顔する」という選択肢もあると思います。

ただし、先述しましたように、「朝も夜も、落とさなければいけない汚れの種類は同じです。朝、洗顔料を使用して洗顔するかしないかは、埃などの付着物の他に睡眠中に分泌された皮脂の量の程度によって決める必要があります。

日中の皮脂分泌量もそうであるように、就寝中の皮脂分泌の量は人によって異なります。水やお湯で洗顔しただけではベタつきがあったり、メイクのノリが悪いと感じたときは、やはり過剰な皮脂が皮膚表面に残っている可能性が大、ということだと思います。 また、朝は水やお湯だけで洗顔することにしてから、初めのうちは何の変化も感じなかったとしても、ある程度続けていたらある日急にニキビや吹き出物ができた、という場合も同じです。取るべき皮膚表面に残っていた過剰皮脂が皮膚にダメージを与える原因になったと考えられると思います。 このような場合は、朝も洗顔料を使用して洗顔することが必要、だと判断すべきかと思います。

皮膚表面に残った皮脂と肌トラブルとの関係

下記は、人口皮膚に汚れに見立てた黒い粒子と皮膚類似成分を塗布し、水で洗った後の状態を検証したものです。水だけでは汚れが残っているのが確認できます。


皮脂も水やお湯だけは落ちません。落とすべき汚れである皮脂は、空気に触れると酸化し、皮膚にダメージを与える原因になります。

皮脂が酸化することで起きる表皮細胞の一番大きなダメージは、基底層にある基底細胞のDNAへのダメージと考えられます。基底層で基底細胞は2個の細胞に分裂し、このうち1個は次の細胞分裂に備えます。、もうひとつは分化(成長する間に機能や構造を変化すること)を行い、最終的に角層細胞になります。しかし、表皮細胞の各種たんぱく質がダメージを受けると、適切に分化を行うことができなくなり、その結果、分化の過程で生成されるうるおい成分であるNMFが十分につくられなかったり、細胞間脂質の分泌が適切に行われず、正常なバリア機能も形成できなくなってしまいます。

正常なバリア機能が形成されない状態になると、角層内の水分蒸発を防ぐ機能は低下し、また肌は外界からの様々な物質に対するダメージを受け取りやすくなり、炎症、ニキビ、シワなど、様々な肌トラブルが発生しやすくなります。

基底細胞も角層細胞も同じケラチノサイトという細胞ですが、分化することで、形も構造も全く異なるため、名称が変わります。


洗顔料を使用することで起こる肌負担とは

そもそも、洗顔をする行為そのものが、皮膚を若干乾燥に傾けることにつながります。
大切なのは、皮膚が必要な保湿因子や皮脂まで取り過ぎていないかどうか、です。必要なうるおいまで取ってしまえば、それは「肌負担」になります。しかし、汚れが付着したままなのも「肌負担」になり、肌トラブルの原因になります。

肌に合っている洗顔料の見極めは、洗顔後に「つっぱらない」こと

肌に合っているかどうかの基準は、洗顔後「つっぱらないこと」です。
汚れはしっかり落とさなければいけませんが、肌に必要なうるおいを取ってしまっては、やはり正常なバリア機能の形成が難しくなります。

皮脂を取り除く働きを軽減する洗顔方法

「汚れは取りたい、でもすぐつっぱる」、そんなときは泡の量と密度を調節してみましょう。
乾燥が気になるときは、いつもより多めの水で洗顔料を泡立てます。大きなゆるい泡を作って洗顔しましょう。泡の量もいつもより少なめにつくります。皮脂を取り除く働きが軽減されます。またこのときは、ぬるま湯ではなく、水で洗いましょう。

朝の洗顔は、乾燥肌・混合肌だから、という肌タイプだけで判断したり、単に洗顔料を使う、使わないのどちらかを選択するのではなく、その日の肌の状態に合わせて洗顔方法を調整することが、本当の意味で肌をいたわることだと思います。

「水やお湯だけの洗顔だと少しベタつく感じがする。でも洗顔料を基本の使い方で行うと乾燥する」という場合は、先ほどご紹介したような洗浄力を軽減してみるなど、肌を見極めながらお手入れは行いましょう。肌状態は、肌質、季節、環境などの影響を大きく受けます。肌を見ながら上手に調節してこそ、キレイな肌が保たれやすくなります。ぜひ、参考にしてくださいね。
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