2020.12.29
唾液を増やして健康に! 唾液に秘められた健康パワー
Beauty Column
口の中を潤してくれる唾液。
実は、唾液には健康維持に重要な様々な役割があるのです。
その役割は口の中だけでなく、全身の健康にも影響が!
今回は、唾液の働きと健康のために気をつけたいポイントをお伝えします。
■唾液はどこから分泌される?
どこから、どのように分泌されるのでしょうか?
唾液は唾液腺(だえきせん)とよばれるところでつくられ、口の中で分泌されます。
主な唾液腺が「耳下腺(じかせん)」、「顎下腺(がっかせん)」、「舌下腺(ぜっかせん)」の3つです。
唾液の99%以上は水分です。
その他、消化酵素や抗菌物質、タンパク質、ナトリウムなどを含んでいます。
■唾液の働き
答えは、なんと約1~1.5リットル!!(※個人差があるといわれています)
そんな唾液には健康維持に重要な働きがたくさんあります。
今回は主な5つの働きについてご説明します。
1. 消化
唾液に含まれる酵素がデンプンを糖へ分解し、消化を助けます。
2. 粘膜保護
唾液が口の中の粘膜を覆い、刺激や感染などを防ぎます。
3. 自浄
歯や舌に付着した食べ物のカスや細菌、歯垢(しこう)などを洗い流します。
4. 抗菌
唾液には抗菌物質や抗菌因子が含まれているため、口の中に入った細菌などの活動を抑制します。
5. 歯の再石灰化
食べ物や飲み物などに含まれる酸によって溶けかけた歯の表面を再石灰化することで修復し、虫歯リスクを低減します。
実は、唾液は感染症とも深い関係が!
感染症の原因となる細菌やウイルスは口や鼻から入り、その粘膜から体内へ侵入します。
唾液は口やのどの粘膜の表面を覆って細菌やウイルスから守る働きをしています。
そのため、唾液の分泌を増やして、粘膜を守ることは感染症から身を守るためにもとっても重要なのです。
■唾液を増やすための5つのポイント
唾液の分泌が減ると、口の中は乾燥し、細菌などが繁殖しやすくなります。
そうすると、虫歯が発生しやすくなったり、口臭が発生したり、風邪などもひきやすくなってしまいます。
日常のちょっとした意識で唾液の分泌量は増やすことができます。
★唾液の分泌を増やす5つのポイント★
1.よく噛んで食べる
噛むという動作は、唾液の分泌を促進します。
食事の際は、1口30回を目安に、よく噛んで食べるようにしましょう。
日中、ガムを噛むのもいいですね。
2.こまめに水分を補給する
唾液をつくるために水分は必要です。
水分補給の際はコーヒーや紅茶などカフェインを含んだものではなく、麦茶や水などがおすすめです。
3.鼻呼吸を心がける
口呼吸は口が乾燥しやすくなってしまいます。
口を閉じて鼻で呼吸する「鼻呼吸」を心がけましょう。
特に、マスク着用時は口呼吸になりやすくなるといわれるので、鼻呼吸を意識することが大切です。
4.舌を動かす
舌を動かすと唾液腺が刺激され、唾液が分泌されやすくなります。
特別な舌の運動でなくても、口を閉じて舌を上下に動かすだけでも、唾液が分泌されてくるのを実感できると思います。
5. 唾液腺をマッサージする
マッサージで唾液腺に刺激を与えると、唾液が分泌されやすくなります。
上の図を参考に、主な唾液腺である耳下腺、顎下腺、舌下腺をやさしくマッサージしましょう(強すぎる刺激はNGです)。
■ライター
関西学院大学理学部卒業後、化粧品メーカーにおいて研究・開発に従事。
その後、化粧品の商品企画・マーケティングへと転身。
2018年、これまで培った化粧品や美容の知識を発信するべく、ライターとして独立。
All About Beauty 公式ガイド。