2023.03.08
低温やけどって普通のやけどと違うの? 低温やけどの基礎知識
Beauty Column
気づかないうちに起こってしまう「低温やけど」。
低温やけどとは、どのような状態なのでしょうか?
また、普通のやけどとは違うのでしょうか?
今回は低温やけどの原因と対処法について詳しく解説します。
■低温やけどと普通のやけどとの違い
低温やけどとは、低温(44℃~50℃くらい)のものに長時間接することで起こるやけどのことです。
一般的に、44℃のものに約6時間接触しつづけると低温やけどになるといわれています。(接する温度が高くなればなるほど、短時間で低温やけどは起こります。)
そして、接する時間が長ければ長いほど深いやけどになります。
低温やけどと普通のやけどの違いは、料理でお肉を焼くときのことを想像するとイメージしやすいです。
普通のやけどは、高温でサッとお肉を焼くイメージです。
表面は焦げますが、中はレアですよね。
一方、低温やけどは遠火でじっくり時間をかけて焼くイメージです。
外側は焦げませんが、しっかり中まで火が通りますよね。
低温やけどもまさにその状態です。
低温やけどに注意が必要なのは「熱い」と感じた時点ではもう低温やけどになってしまっているということ。
そのため、応急処置が間に合わないことがあります。
→やけどについて詳しく知りたい方は「“やけど”は応急処置で跡の残り方が変わる!? 正しいやけどの応急処置」をご確認ください。
■低温やけどの原因となりやすいもの
おしゃれな湯たんぽが発売されていたり、光熱費の節約のために湯たんぽを使う人が増えているといいます。
正しく使えば全く問題ありませんが、外袋がきちんと装着できていなかったり、熱い部分が肌に直接長時間触れてしまったりすると低温やけどの原因に!
就寝中に使う湯たんぽは低温やけどが起こっていても気づきにくく、「熱い」と気づいて目覚めた時にはすでに重症の低温やけどになっている……なんてことも!
使用する際は商品の注意表示をよく読んで、適切に使うように気を付けてくださいね。
使い捨てカイロ、特に貼るタイプのカイロによる低温やけども多いといわれます。
衣服の上から貼らなければならないのに、皮膚に直貼りして低温やけどになったという例も聞きます。
また、下着に貼ったとしても素材が薄すぎると低温やけどの原因に!
また、冬場に温風ヒーターやストーブなどの暖房器具の前でうたたねしてしまって低温やけどになってしまったという方も意外と多いのだとか。
低温やけどの原因は意外にも身近なものです。
ご自身はもちろんのこと、ご高齢のかたやお子さまなどが湯たんぽや使い捨てカイロを使うときは十分気を付けてあげてくださいね。
■低温やけどの応急処置
水圧は強くなくて構わないので、5分から30分ほど患部をじっくり冷やしましょう。
氷や保冷剤などは、冷たすぎるためあまりおすすめできません。
長時間冷やし続けると、凍傷になってしまったり、寒い時期は低体温になってしまったりする心配があります。
また、低温やけどの場合、皮膚の深い部分まで損傷してしまっている場合も!
応急処置として流水で冷やした後は、皮膚科を受診することをおすすめします!
■ライター
関西学院大学理学部卒業後、化粧品メーカーにおいて研究・開発に従事。
その後、化粧品の商品企画・マーケティングへと転身。
2018年、これまで培った化粧品や美容の知識を発信するべく、ライターとして独立。
All About Beauty 公式ガイド。