実は私たちの身体にある脂肪細胞には、「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」という種類があります。
白色脂肪細胞とは、体内の脂肪のほとんどを占める細胞で、体脂肪を構成します。
私たちが普段認識している脂肪は、こっちに当たります。
白色脂肪細胞は、皮膚の下や内臓など全身に広く分布しており、中性脂肪や糖などを取り込んでエネルギーとして蓄えます。
エネルギーを蓄えた白色脂肪細胞は、球状に膨らんで見た目はイクラのようになります。
では、ここで問題です。
20歳前後の成人の身体にはいくつの白色脂肪細胞があるでしょうか?
・・・答えはなんと約400億個!
通常、白色脂肪細胞は0.08_o程度の大きさですが、エネルギーが過剰になると、なんと約1.8倍の0.14mmにまで大きくなるといわれています。
白色脂肪細胞はひとつひとつが大きくなるだけでなく、細胞の数を増やして脂肪をため込みます。
実際、肥満者の白色脂肪細胞は、約800億個にもなるといわれています。
つまり、白色脂肪細胞は「脂肪をためこむ」働きがあるものなのです。
一方、もうひとつの脂肪細胞である褐色脂肪細胞は、まったく違う働きがあり、なんとこれにはダイエットのカギが潜んでいるのです!
褐色脂肪細胞は、脂肪を燃焼させる細胞です。
赤ちゃんの頃に多く存在している脂肪細胞で、加齢とともに数が減ってしまいます。
もともと褐色脂肪細胞は、寒いとき脂肪を燃焼させて体温を保つために存在しています。
赤ちゃんは生まれてきたとき胎内より気温の低い外気にさらされます。
そのとき、褐色脂肪細胞が脂肪を燃焼させて体温を維持しているのです。
成長するにつれ、その役割が筋肉などに移行し、褐色脂肪細胞はあまり機能しなくなり減ってしまうのです。
でも、大人になったら褐色脂肪細胞がなくなってしまうか、というとそうではありません。
成人でも、主に肩甲骨に存在するといわれています。
ただ、40歳以降は大幅に少なくなるともいわれていて、褐色脂肪細胞の減少が中年太りにつながるのでは?なんということもいわれています。
褐色脂肪細胞は寒い条件下で働くということもあり、
●夏よりも冬にふえる
●温かい場合は働かない
といった特徴があります。
つまり、冷たい刺激に反応して、褐色脂肪細胞が働くということです。
ただ、巷の健康法で
「褐色脂肪細胞を増やすために、首から背中にかけて冷やしましょう!」
といった記事を見かけますが、筆者はあまりおすすめできません。
確かに、褐色脂肪細胞は働くかもしれませんが、ほかの身体のトラブルが起こりかねません。
特に女性にとって身体の冷えは大敵だと考えます!
なのでここは、食事で褐色脂肪細胞を増やす、という方法をオススメします。
たとえば、
・トウガラシ
・ニンニク
・ショウガ
・ミント
・ワサビ
に、褐色脂肪細胞を活性化させる成分が含まれているといわれています。
これらの食品を毎日の食事に少しずつ取り入れるのも効果がありそうですね!
また、褐色脂肪細胞を刺激するためには、運動も良いとされています。
特に、直接肩甲骨に効かせられる肩回し体操は効果的だと思われます。
肩回し体操をより効果的にするためには、以下の5つのポイントに気をつけて行ってみてください。
- ・背筋をのばす
- ・胸を大きく開く
- ・ひじで大きな円を描くように、大きく回す
- ・肩甲骨に意識を集中(肩甲骨を開いたり閉じたりするイメージ)
- ・早くまわさなくてもよいので、ゆっくり大きな動きで
この5つのポイントを意識しながら内回り、外回り各5回ずつを1日3セットずつ行ってみましょう。
肩甲骨周りの体操は、褐色脂肪細胞への刺激だけでなく、肩こり解消・姿勢を良くする効果もあるため、すぐに結果が見えなくてもぜひ継続して行ってみてください!
- 小林未佳
- 関西学院大学理学部卒業後、化粧品メーカーにおいて研究・開発に従事。その後、化粧品の商品企画・マーケティングへと転身。2018年、これまで培った化粧品や美容の知識を発信するべく、ライターとして独立。
All About Beauty 公式ガイド。
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